9月グリーティング


昨年に引き続き、今年も10月に京都府立植物園にて開催される
「あしもとにゆらぐvol.7」にワークショップとして
参加することになりました。

新たに京都精華大学マンガ学部キャラクターデザインコースの学生の皆さんも加わり、産学連携のかたちでワークショップの企画から一緒に取り組んでいます。

前回はワークショップの企画ができるまでの過程をご紹介しました。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。

今回はワークショップのコラボレーション作家、
鋤柄 真希子(すきから まきこ)さまをご紹介いたします。



Q1.まずは自己紹介をお願いします。

動物や植物をモチーフに人間中心とは異なる視点を描いた
オリジナルの短編アニメーションを制作しています。
マルチプレーン撮影台というアナログな技法で制作を行っています。

『野ウサギの軌道』(アニメーション作品『LUNATIC PLAN(e)T』イメージ画)


『深海の虹』一場面


『深海の虹』一場面


セル画を重ね、カメラを動かしながら撮影をしていきます。
10分のアニメーションを制作するのに5年かかるとのこと。


Q2.KANMAKIとコラボワークショップを開催するにあたっての
第一印象を教えてください。

アイデアがたくさん出てきそうな素材でワクワクしました。
特に「煌葉-kiraha-」は人の手でトレースするというアナログな工程があるのが
とても良いなと思いました。

Q3.“顔料箔”を使ってみて面白いと感じたこと、
逆に難しいと感じたことはありますか? 

「煌葉-kiraha-」
意図していない部分にも箔が付着するので、
版画のような風合いが出せて面白いです。
すごく細い線を転写するのが少し難しいなと感じました。

「トナー箔」
塗り絵と切り絵の中間の感覚で大変面白かったです。
使用後のトナー箔(抜け殻)も魅力的で
アニメーション素材になりそうな可能性を感じました。


「トナー箔」を転写した後、シャープペンで箔を削っている様子

シャープペンで箔を削って、ウサギの毛並みを表現
ウサギの目は、転写前の箔のインク部分を同じくシャープペンで削って、
箔自体に模様をつけてから転写



Q4.“顔料箔”を使って表現してみたいことはありますか?

マルチプレーン撮影台を使うと絵に奥行きを出すことができます。
積層させたガラスに素材を置き上から撮影する装置なのですが、
「セル」と呼ばれるアニメーション用の透明フィルムに
顔料箔で素材を作り何層にも重ねた表現をしてみたいです。
またパラパラマンガのようなアニメーション玩具にも使用してみたいです。

Q5.最後に、コラボワークショップへの意気込みをお願いいたします!

精華大学の学生のみなさんが一生懸命考えてくださったワークショップなので、
私もイチ参加者として学びながら新しい発見をしていけたらなと思っています。

 

鋤柄さま、インタビューにお答えいただき、
ありがとうございました!


あしもとにゆらぐvol.7では、
「『煌葉 -kiraha-』で仕上げるアートポストカードづくり」と題し、
鋤柄さまがデザインしたポストカードに「煌葉 -kiraha-」で箔押しを施し、
さらにそのポストカードを入れる額縁もつくるワークショップを開催します。

お近くにお越しの際は、ぜひお立ち寄りいただけますと幸いです。

 

作家情報

鋤柄 真希子 さま

2010年にSUKIMAKI ANIMATIONを立ち上げ、マルチプレーン撮影台を使った短編アニメーションを制作している。動物や植物をモチーフに人間中心とは異なる新たな視点を描いたオリジナル作品は世界各国の映画祭で上映されている。現在最新作『LUNATIC PLAN(e)T』を鋭意制作中。


大阪在住
京都工芸繊維大学大学院博士課程単位取得退学

2010 『雪をみたヤマネ』 (6分15秒)
主な上映歴:シアトル国際映画祭(アメリカ)  受賞歴:プチョン国際学生映画祭観客賞

2011 『やまなし』 (8分40秒)
主な上映歴:ジッフォーニ映画祭(イタリア)

2013 『カラスの涙』 (8分)
主な上映歴:広島国際アニメーションフェスティバル 受賞歴:文化庁メディア芸術祭新人賞

2019 『深海の虹』(10分56秒)
主な上映歴:クレルモン=フェラン国際短編映画祭(フランス)

Web         :sukimaki animation
Instagram:@Sukikara Makiko
X              :@sukimaky

 

常花の苑実行委員会

若手作家による植物をモチーフとした作品を展示する展覧会・イベントを企画・運営。
今年10月、京都府立植物園で絶滅危惧植物をモチーフにした展覧会「あしもとにゆらぐvol.7」を開催予定。

Web         :https://tokohana.info/
Instagram:@tokohananosono
X              :@tokohana_art

京都精華大学マンガ学部キャラクターデザインコース 岬ましろゼミ

Web    :https://www.kyoto-seika.ac.jp/edu/manga/characterdesign/index.html
教員    :岬 ましろ先生

 

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